In-Betweenシリーズ。
尾仲浩二の写真集。ラトヴィアとスペインを撮影したもの。彼のカラーの発色は、同シリーズの他の写真家と全く異なる。ラトヴィアの冒頭の写真から、空は黒い雲が立ち込めているのに、地面はギラギラした陽の日差しが照りつけている奇妙な雰囲気を出している。二枚目、三枚目は、どこかの野原をを写したものだが、空と茶色く変色した草花の発色が奇妙に鮮やかで、惑乱させられる。線路を写した写真は、何か胸騒ぎを起こさせる写真である。スペインの写真も、空の色がアクセントになっている。高速道路の脇から写した写真は、前景に
アロエに似た
多肉植物を配置し、高速道路の標識を後景に、そして水色の空を背景にしている。その次の写真は、夕焼けを写したものだが、写真家の影が画面左端に映り込んでいることから、濃いオレンジ色の光を発する太陽を背にしていることが分かる。この写真も、雲と空の配分が非常に印象的である。その次の写真も、雲と空と雲に隠れた太陽の様子、そして、地上には
焼畑をしたような煙で充満した大地の様子が、青っぽく映し出されている。画面に少ししか空が映し出されていなくても、彼の写真は空がアクセントになっている。
