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「ドイツ写真の現在」でも取り上げられている写真家の作品集第二弾。Luxの写真は、正方形がメインで、時々長方形が用いられている。彼女の写真ほど、「止まっている」と意識させるものはない。
写真が、瞬間を止めるものであることは確かである。しかし、そこでは、止まる直前の「動き」が微かに感じ取れもするのである。一方、Luxの写真は、止まる直前の「動き」すら感じ取ることができない。彼女の撮る子供は、どこからやってきて、どこに行こうとしているのか、全く読み取ることができないのである。
背景の写真は、優しい青空であったり、穏やかな海であったり、のんびりとした草原であったりするのだが、何の安心感も与えはしない。
静かであるだけに一層、不気味に思える。「自然」なものが、全く人工的にしか見えない。子供たちも、（マネキンでなく）人間であるということは分かっていながらも、人工的にしか見えないのである。
どの写真に写っている子供も愛らしいし、清潔感、そう、漂白剤に漬けたような清潔感を持っている。それだからこそ、心底恐ろしいのである。人間と漂白剤。決して、結びつくことのない関係。
綺麗なものと綺麗なものを掛け合わせることは、きっと素晴らしいことだと、皆は思うかもしれない。しかし、Luxの写真を見て、その考え方が、実は恐ろしいものを生み出すのではないかと、一末の不安を覚えるのである。

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