松江泰治写真展「Nest」@TARO NASU GALLERY
今回はカラーの俯瞰的な写真以外に、それらの写真からトリミングされたと思われる正方形の写真も同時に展示されていた。そのトリミング写真のほうは『cell』という写真集として赤々舎から出版もされる様子。
まだ、印象的な物言いしかできないけれど、ぱっと見たとき、トリミングされた写真は暗室的よりはフォトショップ的な感覚を持った。分割された画面から所与の部分を拡大。グリッドの拡大。 感覚としてはマウスをクリックし、ホイールを回転させ拡大させていく感じ。暗室で行なうトリミングという印象はない…かな。実際どう制作されているかは分からないけれど、ここで用いられている正方形は情報処理的、極小単位的(つまりは数学的か?)な質を有しているようにみえる。アナログ的トリミングとデジタル的クローズアップというような区分けは可能か(ただ、Medium Specificityではなく)。あるいは、もうそういうことは言われているのか。
もひとつ、福居伸宏さんの以前の展示(2008年6月グループ展「Invisible Moments」@アップフィールド・ギャラリー)も合わせて考えたほうがいいかなと。こちらも「トリミング」された「正方形」の写真を出しており、考察すべき要素を多く持っている。とりあえず、この2名を軸に「トリミング」「正方形」「クローズアップ」を考えてみようかな。