痕跡の論理―写真はおのれを何と心得るか痕跡の論理―写真はおのれを何と心得るか
大嶋 浩

夏目書房 2004-07
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一言で言うと、デジタル写真の登場に対して、その登場が写真の今後にどのように関わってくるのかということを述べた著作。それにしても、この人は「別の何か」という言葉を恥ずかしげもなく何度も使っている。論文の形式ではないといっても、言葉の使用には十分に気をつけるべきだと思う。デジタル写真の未知の可能性を小林のりおの「残すイメージから消えるイメージへ」に求めたことは一つの視点だと思うが、どうもそれだけに関わりすぎていて視野の狭さが気にかかる。「消えるイメージ」とは本当にそうなのか(デジタル特有なのか、本当に消えているのか等)、という疑問を自分に向けなければならないと思う。自分がそれを支持したいならば、なおさらである。