1.橋爪恵子 「バシュラール詩学の成立と時間」
2.島本融  「focus imaginariusとしての理念」
前者は、「持続」と「瞬間」のタームが、何に対して、どのような内容をもって、使用されているかということを明示しなければならないんじゃないかな。作品が持続?印象が持続?具体的な詩が挙げられていないという問題点は、以前のコロキウム発表でも感じたところ。持続と瞬間というタームと、シュルレアリスムの詩とを関連付けることができたりしないのかな。
後者は、前半と後半とでだいぶ印象の異なる発表だったように思われる。前半は、作品のアイデンティティの所在を探るもの。それは大いに語られた問題で、いまだ解決がつかないという点では、アクチュアルであるが、発表としては聞き慣れた感がある。後半は、作品の理念の問題(作品を理解することが可能であるとしたら、それは作品の理念に到達することによってである、みたいな)になって、急に時代錯誤感が漂い始める。