7月2日の表象文化論学会行ってきました。全体の意見として、テクノロジーと芸術の関係を明らかにしていくことが近年要請されてきているにも関わらず、面と向かってテクノロジーに関する知識をつけようとしている人が極端に少ない感じがします。はっきり言ってしまえば、文系の人にとって、テクノロジーの研究は「苦痛」でしかないのかもしれません。でも、そこをなおざりにしてしまっては、主張として弱くなってしまうんじゃないかな。特に、今回の「スクリーン」の議論では、ね。長谷さんの発表も良かったとは思うのですが、やはり草原さんの発表の前では弱弱しかったように思います。とはいえ、草原さんの議論もオーソドックスではあったし、依然として「写真」を回避する論調(クレーリーと同じに)であったし、そう喜べるものでもなかったように思います。ただ、テクノロジーに関する知識では、あの発表者+コメンテーター+司会者の中で一番だったので、目立っていたのかと。
「矩形」ということが問題の一つになっていましたが、長谷さんはあのときカメラファインダーのフォーマットあるいは映写機のフォーマットに関して、きちんと調べておくべきだったと思います。私自身が写真におけるフォーマットの問題に関心があるからというのもありますが、写真に正方形があるならば、映画ではどうなのだろう?という疑問は、当然浮かぶはずでしょう。私も、その話は是非聞きたいです。なぜ映画では正方形が困難なのだろう?という問題は、映画の本質を捉えるということもありながら、同時に写真において正方形が可能であることへのヒントも出てくるのではないでしょうか。ここまで言ってしまったら、自分で調べるほうが…かな。