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この写真を撮った写真家誰か分かりますか？多分、写真史をかじったことのある人なら、一度は聞いたことのある人物だと思います。マグナムに所属していたチェコ出身の写真家ジョセフ・クーデルカ（Josef Koudelka）の作品です。おそらく、ソ連のプラハ侵攻を撮ったということで有名だと思いますが。この図版は、たまたま手に入れた東京都写真美術館で1997年に行なわれた「ユリシーズの瞳」の図録からとったものですが、とても良い写真ばかり。マグナムの写真の印象しかなかったので、こういう作品も撮れるんだなと。しかも、この写真家の出身がチェコというのもまた面白い。というのも、同じチェコ出身の写真家でパノラマ写真を撮っているジョセフ・スデク（Josef Sudek）という人物がいるから。チェコで、パノラマで、ジョセフで。
クーデルカの写真を見ていて気付いたのだけれど、彼はパノラマ写真を縦構図でも使用している。実は、これかなり重要なことなのではないかと。パノラマは基本的に横長で撮影されるものだけれど、クーデルカはそんなことはお構いなく縦でも横でも自由に撮っている。縦横を注意してもう一度写真1枚1枚を見てみると、縦構図と横構図とで随分受ける印象が異なることが分かる。横構図がどこか幻想的で茫洋としているのに対し、縦構図は非常にシャープな印象を受ける。柔らかさと鋭さ。空気感と即物感。この縦と横の織り成す世界観に非常に惹かれている自分に気付いた。

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