ジル・ドゥルーズとともに」@日仏会館・エスパスイマージュ
ジル・ドゥルーズによるアベセデール L'abécédaire de Gilles Deleuze」上映+シンポジウム
ジル・ドゥルーズによるアベセデール」は本邦初公開らしく、客席もほぼ満席。今回は「A、B、C、I」の4つ。それぞれ「動物、お酒、文化、概念」に対応。パネルの人が言っていたように、このドキュメンタリー映画ドゥルーズの思考過程を明かすというより、彼の「思考をしている」という演技的身振り(それは教鞭を執るドゥルーズの姿とも見てとれるかも)を描写したものかもしれない。ドゥルーズの著作は何度か手にとってはみたものの、数ページ読んですぐに諦めてしまっていたので、これを機に読んでみようかなと。まあ、そのモチベーションを高めるために観に行ったというのが本音だけどね。いろいろとメモは取ってみたので、そのメモと著作とを見比べながら読もうかな。ちなみに、アマゾンフランスでこのDVD版買えます。↓
L'abécédaire de Gilles Deleuze
それと、シンポジウムの中でドゥルーズ解釈の問題点もいくつか指摘されていた。
1.『シネマ』を映画理論の根拠に据えようとする状況(あるいはもうすでに根拠の一つになってしまっている状況)があること。しかし、『シネマ』は様々な芸術の中で映画だけが持つ特殊性を詳らかにしているというわけではないので、映画理論の根拠足りえない云々。←まだ『シネマ』を読んでないので、何の反応もできなかったのですが、この意見は正当なのでしょうか?
2.ドゥルーズのアクチュアリティを先進的な思考に求める傾向があるが、彼が自分自身を「クラシックである」と言っていることに注意して考えるならば、彼の古典的な側面を無視してはいけない。←まあ、これはドゥルーズに限った問題でもないだろうな。