id:BunMay:20071125の日記への応答id:Arata:20071125。

僕のデジカメにはGPS機能はついていないけれども、flickrに挙げた写真に関して言えば、自分で撮影地点を登録することが出来る。普段は面倒なので、登録していないけれども、今回はやってみた。

上記の引用はArataさんの日記からなのですが、「自分で撮影地点を登録することが出来る。普段は面倒なので、登録していないけれども、今回はやってみた。」というところが、実は前回の日記の隠れテーマというか考えていたことなんです。Flickrでは少なくともGPS機能の付いていないデジカメに関しては、位置情報は「手入力」なわけです。この「手動」と「自動」というのは写真およびカメラの技術史において決定的に重要なテーマになっています。トールボットが写真を発明したのも、カメラ・ルシダを用いて手書きで書くことに限界を感じたことが要因の1つに挙げられています。
20世紀に入って小型のカメラが普及し始めると、「自動露出」や「自動補正」、「自動焦点」などが登場するようになります。そして、今のデジカメでは使ったカメラの情報や秒単位までの撮影日時、そして今回取り上げている位置情報も自動化されています。つまり写真およびカメラの技術史はどこまで「自動化」できるかの歴史でもあるわけです。その意味で、同じソニーが「スマイルシャッター」というのを考案したことは注目すべきことです。「シャッター」と銘打っている通り、シャッターチャンスまでを自動化しようというわけです。
この指摘は某友人がしてくれたものであり、私もなるほどと感心したわけですが、今まではシャッターチャンスは撮影者の才能としてアンタッチャブルな領域だったのが、ソニーのカメラによってその領域まで介入されるようになりました。実際は「笑顔」だけのシャッターチャンスではあるのですが。人間の笑顔を段階によって認識できるのがすごいというよりはむしろ、シャッターチャンスを部分的にであれ自動化してしまったことがすごいということになるのでしょうか。
こういう機能がニコンやキャノンからは出てこないというのがやはり面白いと思います。ニコンやキャノンは写真文化の一翼を担っていることを自負しているでしょう。だからこそ、その写真文化の構成員である「写真家(プロ・アマ問わず)」も尊重しなければならない。しかし、ソニーはビデオに関しては最先端をいくものではあっても、カメラはまだまだ遅れをとっており、写真文化の一翼を担うまでには到っていない。でもそのことによって、写真家の才能の部分にまで切り込むことができるというのは興味深いと思います。このことに関しては、おそらく異論が出てくるかと思いますが、現時点での私の感想めいたものとして聞き流していただければ。
それで、次に考えるべきことはそうした自動化によって付加された情報をどのように扱うかですが、Arataさんのご指摘にあるように、どうやら現状は芳しくないようです。ただ、これに関しては私は結構楽観的でして、何かアプリケーションソフトなりが出てくれば変化するような「途上」の段階に位置しているのかなと。もちろん、位置に関する情報はそもそも必要とされていないということも十分考えられますが。
それともう1つ、これは容易に推測できることですが、負の面として例えば、Winny等のファイル共有ソフトで位置情報付きの写真データが流出した場合、どういうことが起きるのか。これに関しては、技術的なことには門外漢であり、位置情報までついたデータを共有することができるのか、あるいは画像データのみが共有されるのかは分からないので、現段階では何とも言えないですが気になるところです。誰かこの辺りに関して詳しい人いませんかね。


スマイルシャッターに関して
http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-T200/feat1.html

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