浅田政志さんの展覧会「浅田政志写真展「浅田家」〜あなたもシャッター押してみて」@パルコファクトリーを観てきました。最終日。
基本的には『浅田家』に掲載されている写真を1m近い大きさに引き伸ばして展示。それから、会場内に設置された建物の内部ではスナップショットの写真を展示していて、ここには初めて見る写真もあったかも。

清澄白河の写真展に比べれば、無理して行く内容のものでもなかったのだけれど、浅田さんの撮るスナップショット的写真はもう少し考える余地がありそうだと感じました。写真集では「なりきり写真」と「スナップショット的写真」は完全に区分けされていたけれど、ある種の家族の記念写真を「再現」する際にはこの区分を意図的にあいまいにすることもできるのではないでしょうか。というのも、清澄白河の展示を観ても思ったのですが、家族の記念写真にしてはちょっと「出来すぎている」きらいがあります。コンストラクティッド・フォトのコードだけではなく、スナップショットのコードも取り入れることで記念写真を「偽装」することができそうです。たとえば、スナップショットのコードとして、「逆光」「見切れ」「手ブレ」「斜めに傾き」等々が挙げられるかと思います。もちろん、他の偽装手段として、展示や写真集のレイアウトに家族アルバムのフォーマットを用いることもできますし、どちらかというとインスタレーションに近いものになるかもしれません。浅田さんの「なりきり」写真も好きなのですが、写真内の「なりきり」ではなく写真メディアそのものの「なりきり」も面白そうかなと。