アーツ千代田3331の3階で展示されている緒方範人個展「アルゴリズム」を観る。
「ファインダー」の新たな地平を見た気がした。3D映像のなかでファインダーを覗く。ネガ写真が観る者に与えたのは被写体の実在性と撮影者の臨在性であった。緒方の写真は緒方自身が被写体の前に立って撮影したものではなく、すべてコンピュータを通して生成したものである。そこには本来、被写体の実在性も撮影者の臨在性も無いはずである。だが、それでも被写体に対する撮影者の距離の置き方を感じるのは、デジタル・ファインダーとでも呼ぶべき(あるいはデジタル・アイか)新たなファインダーの成す力(extraordinary panoramic viewであることに注目)なのかもしれない。デジタルの手法でアナログの手法をなぞること。