『視覚論』を読んでる最中。シンポジウムの発表原稿を集
めた論文集で、各論文の最後にディスカッション、そして
全体討議が収録されていて、そこでの討論を読むと、よく
そこまで問題点を暴くことができるなとただただ感心。大
学院の授業でもコロキウムという教授・学生の発表の場が
毎週あるのだが、このような討議を自分もできるようにな
りたい。
「見る衝動/見させるパルス」という題で、ロザリンド・クラ
ウスがシュルレアリストを扱ったりしていて、ベルメール
と結び付けられる可能性があるかなと。多分、彼女の
著作とか読めば、そのようなことは書いてあるとは思う
が、まだ読んでいない。クラウスの文章に啓蒙されて書く
ならば、モダニズムが脱身体化(視覚の自律性)の方向を
とる一方で、デュシャン(ロトレリーフ等)やベルメール
(人形写真とテクスト)は「眼に身体器官としての状態
(つまりエロス化する力に働きかけられる力)を回復」さ
せた、ということをどのように立証していくかということ
を考える必要があるな(その点でベルメールの文章は非常
に有効作用するように思われる)。それとともにそのよう
な「回復」は写真と関係を持っているのかいないのか、と
いうことも重要になってくる。 
『イマージュの解剖学』復刊ページのアドレス
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