「第4回 正方形の系譜」が先日アップされましたが、今日届いたステレオカメラに関する資料(日本カメラ博物館「パノラマ&ステレオカメラ展」1992年)を読んでいると興味深いデータが。ただ、この冊子には、ステレオカメラのファインダーも、実際のプリントも掲載されていないので、実際に正方形(あるいは正方形フォーマット)であったのかは判別できないのではあるが。
1852年頃 ニネ・ステレオカメラ 画面サイズ12×24cm
1859年頃 コッシュ・ステレオカメラ 画面サイズ9×18cm
1860年頃 ヘーア・ポータブル・ステレオ 画面サイズ8×17cm
ダルメヤー・ステレオカメラ 画面サイズ8×17cm
1890年頃 ズター・ステレオカメラ 画面サイズ8×16判
1890年頃 フォールディング・ステレオカメラ 画面サイズ9×18cm判
等々。
で、画面サイズに注目してもらいたいのだが、どれもほぼ横幅が縦幅の2倍になっている。実際のプリントを見ていないから、何とも言えない感じではあるが、明らかに正方形にかなり近い形でプリントされていたはずである。更に、ローライの「6×13判」はどこ由来なのか、ということに関して調べてみると、この冊子の中で一番古いものだと1898年頃のフランス製ステレオ・マガジンカメラが「6×13判」となっている。で、面白いのはローライ以前のドイツ製のステレオカメラも「6×13判」を結構作っていたという事実。例えば、1910年のステレオ・デクルロー・ネッテルや1920年頃のステレオ・イデアール651号も「6×13判」であった。この情報は、正方形フォーマットがステレオカメラ由来である可能性を高めてくれそうである。