昨日は五島美術館の展示へ行ってきました。源氏物語絵巻の特別公開もあって、満足。それから、美術館のお庭で暫しくつろぎ。天気も良かったので、とても快い気持ちになりました、お薦め。
http://www.gotoh-museum.or.jp/tenrankai/index.html
五島美術館を観た後、トーキョーワンダーサイト渋谷で「遠くて身近な歴史−1968年そしてホロコースト」を観る。イシャイ・ガルバシュの作品「In My Mother’s Footsteps」は観たのだけれど、ブラッドレー・マッカラム&ジャクリーヌ・タリーの作品は気づかずに見逃していたっぽい…。また見に行かなくちゃ。
ガルバシュの作品は自身の母親の手記をもとにホロコーストの歴史(母親の個人史でもある?)を文章と現在の写真画像で表したものであるが、その展示方法は独特である。暗幕で締め切った部屋に間隔を空けて液晶パネルが十数台、2階の部屋まで続いている。それぞれの液晶は、1階から2階への階段まで時間をずらしながら発光していく(その後、初めのほうの液晶パネルから順に消えていく)。2階の部屋では、一つずつランダムに液晶パネルが発光しては消え、発光しては消えを繰り返す。階段までは母親自身の住んでいた町から強制収容所へと至る道程を描いており、2階は主に強制収容所での出来事を表している。その2階において、液晶パネルがランダムに、とはすなわち時間軸があべこべに発光するということは意味深長である。ベンジャミン・ブクローがリヒターの《アトラス》を考察する際に、ナチスによる「歴史的記憶」の破壊について述べていたが、ガルバシュの作品もまた時系列的な時間軸が破壊され、無時間的なフラッシュバックが繰り返されているようである。しかし、それは「(時系列的な)歴史的記憶の破壊以降の歴史的記憶」の困難な試みともなっている。


そういえば、海外の古本サイトで注文した本が2冊届いていない。もう半年くらい経ったような。なんだかなあ。注文先に文句を言っても、郵送されてしまった後ではどうすることもできないので、何もせず放置してたんだけど…。どこ行っちゃったんだろう。注文履歴見たら、去年の12月に届く予定だったらしい。あらら。