Facebook 2012年12月22日より一部変更)

吉楽洋平展「とり。」@NOW IDeA
写真新世紀での展示では、アクリルマウントと額の両方を使い分け、「鳥を野に放つ」感覚を提示していて、シンプルな展示プランではあるが、それ故に作者の意図が伝わりやすかったかと。今回の「とり。」展@NOW IDeAはどのようなプランで展開するのか興味があったが、展示の印象としては鳥の挿絵を切り抜くアイデアがあまり生かしきれていないのではないかと感じた。
展示に合わせて小冊子『FIELD NOTE』も制作されていたが、こちらの構想もちょっと物足りないなと。新世紀の展示プランを受け継ぐとするならば、裁ち落としと余白を使い分ける手法が思い浮かぶが、冊子を手にする者としてはそうした予想を軽々と超えてしまうような方式を期待してしまう。新世紀のプランを受け継がなくてもよいわけだし。
ただ実際は、裁ち落としと余白が混ざった方式を採用しているものの、「使い分け」と言えるほど厳格な手法とは感じられず、かといって新世紀とは異なる見え方が現れてくるというものでもなかったというのが正直な印象だった。